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フィリップのこと、昔のこと‥

2006/04/18 10:15
またまた更新まで間があいてしまいました。その間何をしていたかと言うと、木曜日まで毎日Probeでした。そしてただ今、つかの間のFerienを満喫中。とは言っても、たまった洗濯物を洗ったり、掃除したり、睡眠不足を解消したりと、家事と休養に努めていますが‥。
明後日からは再び最終Probeがあり、土曜からはいよいよ本番が始まります。きょう予定表見てみたら、明後日から17日間全く休みがないことに気づきました‥。平日は授業とレッスンとProbe、土日は本番。うわぁ、体調崩したら一発で終わりだ。用心しないと。

このオケの2ndオーボエのフィリップですが、大変残念な結果となってしまいました。
前回、ブログに『きのうも合奏途中に早退しました』と書いた翌日。その日は練習が朝10時からあったのですが、彼は合奏開始時間に来ませんでした。
始め『フィリップのことだから、しばらくしたらひょっこり現れるかな?』と思ったのですが、1時間経っても来ず。1時間半経って、休憩になっても来なくて、イヤ~な予感がしたんです。
そしたら休憩後、指揮者のクリス(本人より、そう呼んでくれとのことなので)よりみんなに『残念なお知らせがあります。2ndオーボエは、もう来ないと連絡がありました』との事。
『きょう来ない(Er kommt heute nicht.)』ではなくてもう来ない(Er kommt nicht mehr.)』です。
えぇっなんで?! と私の頭は混乱したまま再び合奏突入。
合奏中も、きのうの帰り際に『また明日ね』って言ってたのに! なんで『もう来ない』んだよ~?! そんな疑問がずっと私の中に渦巻いていました。
帰り際、思い切ってクリスに『どうして彼はもう来ないのですか?』と聞いてみると、『僕もわからないんだ。たぶん‥彼はすごく恐れているんじゃないかと思う。残念だよ、とても。でも、彼はできると思うんだ』とクリスも大変残念がっており、『もう一度彼と話をしないと』と言っていました。
でも、次の日も、その次の日も、フィリップは来ませんでした。2日目、3日目まではまだ希望を持っていましたが、4日経っても来なかったのであぁ彼は、きっともう来ないんだという考えが決定的になりました。

思えば、練習早退してたときから、もう彼は悩んでいたのかもしれない。あきらめかかっていたのかもしれない。たぶんそうだったんだろうな、と思います。
でも、決して彼がやる気がなかったかと言うと、そんなことはないと思うのです。そもそもこのオケ自体、希望者が集まってやるものです。彼はちゃんと先生にもついているし、ヤマハの楽器も買って1年なんだとうれしそうに話していたし。私がリードを作っていると『難しい?』と聞いてきたり『僕もリード作り覚えなきゃ』と言ったり。

‥でも、苦痛だったんだろうな。合奏中、ほとんど音が聞こえてこなくて、時々見ると、苦しそうな顔をしてたから。

フィリップが来なくなってもうだいぶ経ち、何事もなかったかのようにProbeは続き、事務方から連絡を受けた先生からは『新しい2ndオーボエは来た?』などと聞かれるのに、私は彼のことが頭から離れません。なんか自分とすごく重なるのです。私が楽器始めたばかりの頃と。

私は、高校1年生の時、学校の吹奏楽部でオーボエを始めました。オーボエを始める年齢としては、早いほうでもないけど、そう遅いほうでもないと思います。
でも、部活の同級生は、どういうわけか見事に経験者ばかりで、全くの初心者は私とパーカッションの男の子の2人だけでした。経験者のうち、半分くらいが小学生からやっていました。今思えば、小中学生の数年なんて大した差ではなかったのですが、当時の私としては大問題。
周りはもうきれいな音も出るし、すらすらと楽譜が読めるのに、私だけは始め音も出ず(音が出るまでに1週間かかった)、『ド、レ、ミ‥だからこれはラか』と楽譜を読むのから一苦労。複雑なリズムとなると、1つ声に出して歌うのに15分とか20分とかかかるのはザラでした。なのに、うちの学校はものすごく活動が盛んで、月に1回以上は必ず本番があり、それはもうものすごい楽譜の量(ひょっとしたら今より量は多いかも?)。しかも先生はすごく合奏重視で、毎日個人練習の時間は30分~1時間しか与えてくれず、それはもう大変でした。

オーボエという楽器、初心者を見た(聞いた)ことのある方ならわかると思うのですが、初期の頃なんてそりゃもうヒドイ音なんです(まれに初めからキレイな音を出す人もいますが)。ビー とか ビャー とか ピ~ッ とかそんな感じ。
楽器の形状が円筒形のフルートやクラリネットなどに比べ、音が安定しない円錐形のオーボエは、その分演奏する個人・技術によって様々な音色が出るという魅力はある反面、始めから美しい音を出すのは至難の業。サックスはオーボエと同じく円錐形ですが、こと音を出すことだけに限って言えば、あの楽器はシングルリードでマウスピースもあり(つまり口で全部の形を作らなくても楽器がすでに歌口の一部である)、近代になってから出来た新しい楽器で設計上不自由が少ないということもあり、オーボエほどの困難はないと思われます。
・奏者の問題に加え、
・リードの困難(いいリードが手に入りづらい、初心者が作るには難しすぎる)、
・楽器の調整の問題(簡単に調整が狂うのにオーボエの修理は難しく、いいリペアマンはすごく少ない。調整に出せば別の音が出なくなって帰ってくる<実話>)、
・息圧の問題(日常ではまず使われないほどの息圧が必要で、初心者のうちは息圧不足で音程がぶら下がりがち。下手すると半音以上下がる)、
さらにブレスの困難(他の楽器なら息を吸うだけでいいのにオーボエは息が余るため、まず古い息を吐いてから新しい息を吸わねばならない)、、、、
このようにオーボエは問題だらけで、特に初心者にとっては(今もそうですが)、何が問題でどうして吹けないのかが分かりづらく、本当に難しいのです。

吹奏楽のオーボエって(曲にもよりますが)ソロ以外は存在意義が薄い事が多く、そのわりに間違ったり音程が合ってないときだけやたら目立ち、顧問の先生からは『そこオーボエ吹くのなし!』と何回も言われました。
吹奏楽コンクールでは、人数の足りなかった打楽器に回されました。(しかもその時の曲がオーケストラを吹奏楽アレンジしたサン・サーンスの〟バッカナール〝。もちろん当初は2番オーボエ担当だったのですが、バイオリンの譜面から来ている16分音符やトリルなど、オーボエ始めて3ヶ月くらいで吹けるような曲ではありません。〟オーディション〝と称して誰を打楽器に回すか決めるため、先生の前で1人で吹かされ、当然殆ど音が出ず『これだけ吹けなければパーカッションだな』と言われたショックは今も忘れられません。しかも、フルートから始まり、オーボエまででこのオーディションは終了した)。マーチングでもオーボエは出番がないので、またしてもパーカッションに回されました。ただでさえ人一倍練習しなくてはならないのにますます演奏機会が減らされ‥もう本当に何度も挫折しかかったのです。

私自身、楽器を始めてすぐに先生にもつきましたが専門家ではなく(プロのオーボエ奏者ではないという意味)、一方まわりはみな経験者(パーカッションの彼は別として‥とりあえず音は出る楽器なので)、しかも活動が盛んな部活の出身者ばかりで腕前もなかなかとあって、私は合奏中いつもすごいストレスでした。少なくともこの頃、合奏でオーボエを吹くのが楽しいと思ったことはなかったと思います。

フィリップが来なくなって、普段昔のことなんてあまり思い出さない私ですが、今回ばかりはふとした瞬間気づけば当時を思い出し、フィリップのことを考えてしまいます。彼の気持ち、わかる気がするのです。とても胸が痛い‥。
彼は楽器を始めて3年だと言っていましたが、よくやっていると思います。きっと楽器を始めて3年経ったときの私より良かったと思います。
ただ、私が彼とひとつだけ違ったのは、彼は今回辞めてしまったけど、私は一度も自分から辞めたことはないということ。諦めたことはないということ。パーカッションに回され、一日中シンバル叩いて手の皮がむけても、みんなが帰った後にオーボエを練習し続けたこと。‥たったこれだけの差、でもきっと大事なこと。

もしかして、もう彼は、そんなに気にしていないのかもしれません。私の考えすぎかもしれません。でも、勝手かもしれないけど、私が願うことは、フィリップがこの挫折から立ち直って、またオーケストラに挑戦しますように。このままオーケストラを、オーボエを嫌いになってしまいませんように。辞めてしまいませんように。それだけです。
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なんかさあ、オーボエ吹く人いなくなりそうな話じゃん(笑)。私達ってがんばってるのね。
私も高校生までは駄目駄目なオーボエ吹きだったよ。地方なんてそんなものです。今は通販でいろんなものが買えるからうらやましい。



とっこさん。

やっぱり?! ちょっとありのままを書きすぎたかなぁ?(笑)
こんな話をするとよく『じゃあ、なんでそんな大変な楽器を選んだんだ?』と聞かれるけど『そんなこと始めた時は知らなかったんです』‥これ本音。でも、知っててもやっぱりオーボエを選んだかなぁ。

今はリードも通販で買える時代になったよね、日本は。ドイツはどうなんだろう? 見たことないけど。
でも、壊れたリードが送られてきたという話もチラホラ聞くし(途中で壊れたのかもしれないけど)、何でも自分の目で見ないと信用できない私は利用しないと思うよ。楽譜は通販が便利だけどね。



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